長野たかしさんの歌は究極のラブソング
1992年、スティーヴィー・ワンダーの「風に吹かれて」
君のために 今夜 この歌を
僕は15歳の時から歌っているんだ
僕がこの歌に抱いている思いには
この歌が歌われ続けることへの無念さがある
無念だと言ったのは
この歌の背景となったまざまな出来事を思うからだ
60年代 この歌の背景には
公民権運動とベトナム戦争が
70年代にはウォーターゲイト事件や
南アフリカの悲劇があった
80年代、南アフリカの人種隔離政策への抵抗は続き
世界各地での飢餓とのたたかいがあった
90年代も意味は失われていない
いま選ばれる指導者は
人と人とのきずなを生み出せる
人物でなくてはいけない
世界と共に 祖国を忘れないひと
強い責任感を持ち 心を広く開いて
多数の中の少数の声を聞く人だ
スティーヴィー・ワンダーが「風に吹かれて」を歌う前に語った言葉です。
1992年10月16日、ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行なわれた、ボブ・ディランのデビュー30周年トリビュート・コンサートでのことでした。
この年の11月3日に行われたアメリカ大統領選挙で、ビル・クリントンが現職で共和党のジョージ・H・W・ブッシュを下して当選しました。
わたしは心が沈んでいるときに何度もこのコンサートの録画を観るのですが、いつもスティーヴィー・ワンダーが語りかける言葉に涙ぐんでしまいます。
ボブ・ディランがそうであるように、長野たかしさんもまた時代の無念を歌い続ける
長野たかしさんの最近の歌を聴くたびに、それと同じ感覚にとらわれます。
歌われなければならない無念さ…。
長野たかしさんが歌い続ける無念は歌う彼自身にも聴く人にも一緒に歌う人にも、そして時代そのものの無念でもあるのです。
長野たかしさん・あやこさんの歌は、究極のラブソングなのだと思います。ボブ・ディランがそうであるように…。
11月26日、新しいアルバムを引っ提げてのコンサートで、この時代のどんな無念さ悲しさを歌ってくれるのか、とても楽しみにしています。
ふらわーちるどれんコンサート
11月26日(土) 13:30開場 14:00開演
ガレリアかめおか 響ホール
参加協力券 2000円 当日券2500円
主催 長野たかし・あやこピースファンクラブ
問い合わせ 090-6056-2558 宮部