辺野古に土砂を投入することは戦後信じてきた民主主義を捨てること

安倍政権は12月14日に辺野古に土砂投入に踏み切るそうです。
辺野古基地建設の是非を問う県知事選挙で玉城デニー氏が過去最高の得票数で当選し、沖縄の人々がさまざまな逡巡の中で基地建設NOを意思表明したにもかかわらず、「沖縄県民の心に寄り添う」と言った安倍首相と政権は、年内に何が何でも辺野古建設へと強引に突き進んでいます。「心に寄り添う」というのは、安倍首相の心に県民を従わせるということなのでしょう。
新聞報道によると、防衛省の調査で辺野古基地完成には13年、費用も計画の2400億円の10倍になると言います。普天間基地の危険性を早急に取り除くことが目的というのならば、普天間基地の撤退にむけてアメリカと交渉すべきだと思います。
わたしはアメリカの望むまま大量の武器を購入することには反対ですが、百歩譲ってトランプ氏にそのことを感謝されるならば、それをカードに沖縄の人びとの民意を受けて普天間基地の撤退と辺野古基地建設中止を要求するのが民主主義国家のせめてものまっとうな外交ではないでしょうか。
辺野古に土砂を投入することは、沖縄の人びとの心を踏みにじるだけではなく、わたしたちの戦後日本社会が曲がりなりにも信じてきた民主主義を捨ててしまうことなのだと思います。
沖縄の人びとにいつも突き付けられるのは、「どんな意思表明をしても、国は無視するだけで、沖縄には民主主義が通用しない。それならば国の言う通りにすればお金もくれる」というパワーハラスメントでは片づけられない脅迫で、それはそのまま日本に住むわたしたちに「民主主義を捨ててお上の言うとおりしなさい」という、安倍政権をささえ、明治政府の復権をたくらむ超保守主義者たちの陰謀なのだと思います。
その強大な力に抗う手立てがあるのかと絶望的にもなりますが、現地でたたかう人たちとその背後にわたしたちもふくめて国内外に点在する何億何十億の人びとともに、決してあきらめずささやかな希望を育て、小さな声を積み重ねていくことしかないのでしょう。
そして、辺野古基地が完成するとされる13年後に、現政権とそれをささえるひとたちがどんな国家をつくろうとしていたのかを厳しく検証することになるでしょう。

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