音楽はひとからひとへと歌い継がれた「もうひとつの歴史」・金澤英明のメッセージ

新型コロナ感染症が猛威をふるい、国の要請を受け学校閉鎖やイベント中止が相次いでいます。今月末の段階で勢いがおさまるとは考えにくく、4月以降のイベントの中止がつづくことになるのでしょうか。
そんな中で、ベーシストの金澤英明さんからのラジカルなメッセージを、長野たかしさんが届けてくれました。

「しかし、こういう時だからこそ音楽を愛する人達には人類が生み出した音楽という非生産的ながらも崇高な文化を見直す機会にして欲しいと思う。
かつて、第二次大戦時、空襲下のベルリンでフルトベングラーがオーケストラを指揮したり、(爆撃されている音が入ってしまっているライブ録音もあります)。グレンミラー楽団がV2号ロケットの飛来中でも演奏をやめなかったシーンは映画でもとりあげられていた。音楽が悲観的な世情下、人々の魂を救ってきたのは歴然とした事実。」(金澤英明)

金澤さんといえば、わたしの信頼するピアニスト・小島良喜さんと、2003年に箕面市民会館での豊能障害者労働センター主催のライブに来てくれた他、京都や大阪で10回は下らないライブに参加させてもらいました。私は彼のベースから始まるボブ・デイランの「マイ・バック・ページ」が大好きでした。
ショービジネスとドラマや映画や配信動画でしか成り立たない音楽とは別に、昔も今も大地や路石からにおいたつ音楽、切実に音楽を必要とする心に届く草の根の音楽は、大げさに言えば人類が誕生して以来、政治や経済や権力による「書かれた歴史」とはちがう心の回路をくぐりぬけ、ひとからひとへ、ひとりからひとりへ、巷から巷へと歌い継がれ、語り継がれてきた「もうひとつの歴史」だと私は思います。それはまた壮大な未完の愛の物語でもあります。
金澤英明さんの音楽はその厳しくもやさしい物語を届けてくれる数少ないミュージシャンの一人で、今回のメッセージは、ある種の矜持、覚悟を感じさせる彼らしい言葉だと思いました。
そして、このメッセージを紹介してくれた長野たかしさんもまた、わたしたちの背丈を超える「地上の愛」を歌い続ける草の根のミュージシャンであることをあらためて感じました。

今年5年目となるピースマーケット・のせの開催は5月17日で、場合によっては公的な会場であることから内容の変更や、最悪の場合も考えなければならない状況で、実行委員会として対応を話し合うことになります。

長野たかし&森川あやこ/時代は変わる/130623

コジカナツル - マイ・バック・ページ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です