カレンダー原画展の打ち上げ

先日、カレンダー原画展の打ち上げに参加させてもらいました。豊能障害者労働センターではこの原画展を設立30周年のプレイベントと位置付け、多くのスタッフがかかわったのですが、今回はカレンダーの販売に直接かかわっているスタッフに加えてイラストの作者・松井しのぶさんとアートディレクターの朝倉靖介さんが参加されることになり、わたしも同席させていただきました。今回のイベントは箕面市内での開催で、交通アクセスは決してよくはなかったのですが、箕面市内のみならず近辺の街からたくさんの方に来ていただきました。2006年から2012年までの7年間のカレンダーの原画42枚と、松井しのぶさんの別の作品を合わせた約50点のイラストを一挙に展示してみると、製作にたずさわってきたわたしたちもあらためて感慨深いものがありました。

松井さんと朝倉さんは展示の準備を手伝って下さり、アートイベントに不慣れなわたしたちを助けて下さいました。朝倉さんとは1985年から2005年まで、吉田たろうさんのイラストによるカレンダー「季節のモムたち」から、松井しのぶさんになってからも現在までずっと一緒に仕事をさせてもらい、お世話になってきました。話はおのずと吉田たろうさんの話になりました。吉田たろうさんがライフワークとして情熱を傾けて描いていただいた作品は、いまでもたくさんの方々の記憶に残っていて、カレンダーの時期になるとなつかしいコメントをいただくことも少なくありません。今もカレンダーの製作をつづけることができるのも吉田たろうさんのおかげで、感謝しています。1984年、牧口一二さん、吉田たろうさん、朝倉靖介さんのデザイン事務所にお願いし、はじめてモムのカレンダーを製作してから27年がすぎました。その間に阪神淡路大震災を経験し、21世紀に入ってからは9.11同時多発テロ、アフガニスタン侵攻、イラク戦争と、たくさんのいのちが犠牲になってしまいました。吉田さんもわたしたちも、当初は障害者の年末資金をつくることと、漠然と自然を大切にしたいと言う願いから始まったカレンダーに、切ない思いを重ねていくようになりました。世界の悲痛な願い、こどもたちの痛々しい叫びを胸に秘めて吉田たろうさんはイラストを描かれ、わたしたちもまたわたしたちの願いをこめた一年分の手紙として、カレンダーをたくさんの方々に届けてきました。吉田たろうさんが急逝し、2006年から松井しのぶさんがイラストを引き受けてくださり、吉田たろうさんとわたしたちがカレンダーに託した切ない願いは松井さんの世界観と共鳴し、より深くより広いメッセージのもとでカレンダーが生まれ変わりました。そして、世界の金融・経済の激変で、わたしたちの暮しのあり方を見直さなければと人々が思いはじめた今年、東日本大震災によってよりたくさんの大切ないのちが犠牲になり、残された被災地のひとびとのみならず、途方に暮れる日々が続いています。いまあらためて、このカレンダーが今を生きるすべてのひとの希望をたがやし、育て、やがてくる愛おしい実りを夢見る日々を用意してくれますようにと願わずにはいられません。そんなことを思いながらも、とても楽しいひとときを過ごさせていただきました。あとからふりかえると、はしゃぎすぎてまたまた島津亜矢のことをいっぱい話してしまい、はた迷惑なことだったなと反省しています。同席していたみなさん、申し訳ありません。原画展開催中、来年のTシャツのデザインを原画から選ぶ投票をお願いしたところ大人気で、集計表を見せてもらったのですが投票総数が927もあり、来場してくださった方は1000人を越えていたようです。来年の豊能障害者労働センターのオリジナルTシャツに、うれしいデザインが加わることになり、今からわくわくしています。好評だった原画展ですが、いろいろ準備が大変だけれども来年からも継続していければと思います。そして、吉田たろうさんの作品とのコラボレーションもできたらと思います。

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