いちばん頑張ったのは箕面市民でした。箕面の市長選挙と市議会議員選挙。

8月23日、箕面市長・市議会議員選挙の投開票が行われ、中西とも子さん、ますだ京子さん、神田たかおさん、名手ひろきさん、村川まみさんの、「箕面窮民ネットワーク」(私の造語です)5人が当選し、危なげな箕面の未来にかすかな光明を見ることができました。
ご存じのように、大阪維新の会の圧倒的な勢いが市内を席巻する中で、5人とも苦しい選挙戦でしたでしょうが、声を届けるべきところ、希望を共に耕すところにしっかりと想いを届けるたたたかいとなりました。
また、箕面市長選では、2度目の挑戦となった住谷のぼるさんが、維新の会の上島一彦さんの41180票という圧倒的な得票数に対して、たしかに前回よりも1000票少なく8468票という結果に終わりましたが、今回の異様な維新の会の勢いからして、決して負け惜しみではなく健闘されたと思います。
告示前の箕面は維新の会の上島さんの街宣車が走り回り、「維新の会の代表代行の吉村です。わたしたちは箕面市長候補に上島一彦さんを立てることになりました」という旨の録音テープを流し続けていました。
今回のコロナ対策で本人のテレビ出演はもとより、関西のテレビ局が一斉に吉村さんをほめたたえる異様な状態が続きました。実際のところは、もたもたする国の対策を先取りしただけだったり、多少リスクを背負っても独自の対策として(どれだけたっても赤信号にはならない)大阪モデルやイソジン発言など、マスコミ受けしやすいパフォーマンスで安倍政権への不満を逆手にとった人気取りとしか思えませんし、最近はまた失言が目立ってきたにも関わらず、「いずれは首相に」という声があるほど相変わらずの人気を誇っています。
維新の会の政治戦略は巧みで、経団連など大企業に傾いた自民党を見放した中小企業や零細企業、個人事業主など、事業意欲がありながら「報われない」と感じている人たちを取り込み、維新の会をよりどころとする「報われる」経済圏を広げていき、選挙の時は層の厚い支援者が何かに取りつかれたように活動しているように思います。
それにかぶさるように吉村さんへの異様な人気と、次は都構想と手を緩めず突き進む維新の会への雪崩現象は、トップから6位まで維新の会の候補者で占める結果をもたらしました。予想できたこととはいえ、市長選挙で上島さんが4万票を越えて当選したことと合わせて、維新の会の議員さんも市長さんも冷静な議会運営、行政運営ができるのかとても心配です。維新の会としても「勝ちすぎた」弊害を危惧するところがあるかも知れません(いや、あってほしいと思います)。
上島市長の公約を見ると、北大阪急行の延伸と、それに伴い萱野地区に市立病院と文化会館、阪大の誘致、大規模な開発と水道行政の広域化など、維新の会の大阪都構想と連動するような政策がならび、20世紀型の経済成長幻想を募らせるものが並んでいます。
そこではかつて箕面市がけん引してきたものでもあった、必要とするひとにしっかり届く社会保障や福祉サービス、あらゆる差別をゆるさない人権施策がどうなるのだろうと不安になります。

「成長第一」と「身を切る改革」を錦の御旗に開発優先と民営化へ突き進む維新政治にNOを突きつけ、開発業者が喜ぶ町ではなく、コロナ禍のもとで困難な生活を強いられている市民に寄り添い、子どもも大人も安心して暮らせる町、誰ひとり取り残されることのない箕面市を一緒につくろうと呼びかける5人の候補者と彼女彼らと行動を共にするたくさんのボランティア市民が酷暑の中箕面中を駆け巡る様子はいとおしく、たのもしいものでした。選挙はたしかに声高に訴えなければ市民に届かないこともまた現実ですが、それでもなお辻々に立ち、語りつづけた無数の言葉を閉め切った窓の向こう側でひそやかに聞き入る人たちが少なからずいることを信じて…。
その結果、中西とも子さん、ますだ京子さん、神田たかおさん、名手ひろきさん、村川まみさんはたしかな信認を得て当選したのでした。
まさしく、以前に書きましたが、フレディマーキュリーが「We Are The Champions」で歌ったように、「わたしたちは勝ちたいのではない、負けることができないのだ」、箕面の町を市民にとりもどすために。
そして、箕面市民がいちばん頑張りました。維新の会が圧倒的な票数で6議席を獲得し、維新の会の市長が誕生したのも現実なら、中西とも子さん、ますだ京子さんと共産党の神田たかおさん、名手ひろきさん、村川まみさんを箕面市民が市議会に送り込んだのもまた現実です。
今回、それを可能にしたのは維新の突風に立ち向かって市長選をたたかった住谷のぼるさんだと思います。組織に頼らない市民派の2人の候補の矜持を認めながらエールを送り、演説会にも招待した共産党の柔軟さと、「誰一人置き去りにせず、明日に希望が持てる街」を願う住谷のぼるさんの箕面を愛する想いが、多様なひとびとを包み込み、わたしの言う「箕面窮民ネットワーク」という市民共闘を生み出したのだと思うのです。
もちろん、よくも悪くも共産党ほど政党らしい政党はなく、綱領と中央の決定が優先されるのは承知していますが、共産党がさらにもう一段のしなやかさを持って、地域地域で広い範囲の市民や政党と手をつなぎ、共に考え共に行動してくれたらと思います。
今回の選挙で、少なくとも箕面においては共産党の柔軟さが表れていて、大阪モデルならぬ「箕面モデル」として、今後は議会活動などでより一層の協働を期待できるのではないかと思いました。実際、維新政治と対置するためには「恩讐の彼方に」を教訓にいろいろな考えやいろいろな想い、いろいろな人々が助け合わなければと強く思います。

みなさん、ほんとうにごくろうさまでした。お疲れが出ませんように体に気つけていただきますように。

Jacks - Love Generation

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