能勢農場とピースマーケット・のせと希望という落穂拾い 能勢ルネッサンス

難波希美子さんが町議会議員選挙において276票で初当選したことは、それを目指した選挙活動を続けてきた結果として、とてもうれしいことです。
昨年秋の補選の時は、難波さんが発信した「きねんだ」の問題と、難波さんの自然保護への理念、女性議員への期待などが重なった「小さな風」が生まれかけましたが、維新推薦の候補者の圧倒的な得票数にはまったくおよびませんでした。
今回は40歳の子育て中の女性、29歳の農業支援者の立候補など、補選のときの難波さんに集まった風が去った後にもかかわらず、支持を得ることができました。
まずはなによりも難波さんの環境保全を訴える訴えがまったくぶれずに能勢の人たちに届いたのだと思います。よくも悪くも、彼女の主張は他の候補者と一線を画していたため、わたしたちに聞こえてくるのはよくない声も多かったのですが、それ以上にわたしたちがまだ出会えていないひとたちからの支持をいただくことができたことに感謝しています。
難波さんを議会に送り出したいというわたしたちの願いが能勢の人々の心を動かす力になったのだとすれば、なによりも難波さんのひたむきさ、率直さと純粋で裏表のない人柄が、理念や主張、言葉を越えて受け入れられたのだと思います。難波さんの「ひたむきさと大胆さと確かな理念」は、だいすきな能勢の豊かな未来を耕したい一心から来ていて、政治的野心とは無縁であることが認知され、鬱屈し、密閉された議会に新しい風を吹き込む期待となったことが結果につながったのだと思います。
実際のところ、新型コロナ感染症の拡大とコロナ失業者や企業の廃業も増える中、大幅な減便となった路線バスや移動困難な地域の問題、未曽有の事態が追い打ちをかける農林業従事者の問題、一人暮らしの高齢者所帯が増え、医療・福祉サービスによるセーフネットへの懸念など、暮らしにかかわる重大かつ喫緊の課題が山積みする中で、今の生活には直接つながらないと受け止められかねない気候危機と環境保全の訴えがどれだけの人々の心に届くのか、不安に思うこともありました。
ですから、今回の結果はたしかに私たちと難波さん自身、そして彼女を支えてくださった人々の努力の結果であるとともに、能勢町の住民が気候危機や環境保全について一定の認識と危機感を持っていたことの結果ともいえます。一見、都会のひとの言い分と思われる気候危機と環境保全が、里山能勢に住むひとびとの関心事のひとつとしてあることをこの選挙で確認できたことは、能勢に住む者として誇りに思います。
と同時に、難波さんに投票してくれた人たちは、環境保全や気候危機の訴えに反発もあるものの一方でそのことを肌で感じている農業従事者で、案外旧住民の方々も少なからずおられたのではないかと思います。もちろん、若い人たちには届けられなかったかもしれませんが、能勢の自然が好きな方々にも難波さんの訴えが届いたのだと思います。

反省点としては、難波さんとまわりのわたしたちが、なかなか選挙という武器を持たないたたかいに一体感を持てなかったこと。まわりのわたしたちが難波さんの行動の指針を作るところまで機能しなかったこと。選挙をたたかいぬくそれぞれの思いがなかなかつながらず、最後の最後でやっと間に合った…。などの感想を出し合いましたが、総体としては今回はじめて選挙を経験した若い人たちにとっては無理のないことだったと思いますし、限られた時間の中で右往左往しながら、それぞれのひとがたしかな手ごたえをつかむプロセスとして、それらの反省点は選挙に限らずこれからの活動に生かされることでしょう。

もう一つの大きな訴えだった「住民が主役」については、能勢の町づくりの重要な担い手である議会に新しい風を起こしうるとの期待が、別の二人の新人候補と同じように難波さんにも向けられたと思いますが、「常設型の住民参加条例」が何を意味するのかについては伝えられなかったと思います。もっとも、気候危機宣言についてはすでに町長の表明で実現していますし、環境景観条例についてもその実現には多くの議論が必要なのではないかと思います。
町行政への批判はともかく、行政との対置型、告発型の運動が重要なモーメントではあるものの、一方で行政との協働型の運動が行政にからめとられてしまった住民運動の歴史に学び、行政との緊張関係を持ちつつ、住民主役の行使が選挙だけにとどまらず、また住民アンケートや住民がひとりふたり入るだけの審議会ではなく、住民が議会も行政も動かせるような仕組みとして、住民参加条例の意味が伝えられたらよかったと思います。
最後に、難波さんという逸材を押し上げて、能勢農場・産直グループが40代のひとたちを中心に自分たちの選挙としてかかわってくれたことが最大の成果となって現れたことがとてもうれしいことでした。その意味において、今回の選挙を通してわたしたちはかけがえのない経験・成功体験を得ることができました。振り返ると、難波さんが新人では一番の得票数で当選したことは奇跡ですが、それよりもこれを機会に能勢農場・産直グループのこれまでの歴史が再認識され、新しい歴史を歩み始めたこともまた、奇跡なのだと思います。
前回と同じく、選挙期間中の町外の議員さんたちが応援に駆けつけてくれて、難波さんのこれまでの長い活動と情熱のすさまじさを実感しました。
今後、わたしたちは「ホップ・ステップ・のせ」の会員として、今後の活動を進めていくことなりました。次回からは一か月の一度の会議となりますが、次の会議ではひとりひとりが持ち寄って、これからの活動について夢を語り合えたらと思います。

もし私たちが空想家のようだといわれるならば、
救いがたい理想主義者だといわれるならば、
できもしないことを考えているといわれるならば、
何千回でも答えよう。
「その通りだ」と。
(チェ・ゲバラ)

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