今年も「ピースマーケットのせ」を開催したいと思います。

「子や孫や次の世代のために誰も傷つくことのない平和な世界をつくりたい」と願う一人の高齢者住民の呼びかけから始まった「ピースマーケット・のせ」は2016年、2017年とたくさんの方々のご参加をいただきました。古来の市場(バザール)にならい、能勢の里山で平和を願うひとびとが集い、心と物と夢が行き交う市場(いちば)をつくりたいというわたしたちの想いを受け止めてくださった方々のおかげと感謝しています。
今、世界では「より早くより遠く」と経済成長を夢見てひた走り続けた20世紀の町づくりから、「よりゆっくり、より近く」と成長なくしても「顔の見える心豊かな社会」へと、21世紀の町づくりのありようが模索されています。足元を見れば介護の手立ても移動手段もなくて外に出られないひと、心の疲れから家に閉じこもるひとも数多く、まずは暮らしの場でわたしたち住民が国や行政に頼るだけでなく、誰もが安心し、助け合って暮らせる町や村をつくりだすことが求められています。
戦争のない平和な世界をつくりだし自然と共生する持続可能な社会をつくりだすことと、国籍や戸籍や障害や性的マイノリティなどで社会的少数者とされる人々の尊厳を守り、多様なひとびとが助け合って暮らせる地域をつくりだすこととは、深くつながっているのだと感じます。
昨年からつづく朝鮮半島の緊迫した情勢の中、数多くの人々が心を固くし、不安と恐怖の夜を過ごしています。わたしたちもその例外ではありません。
しかしながら、平昌オリンピックをきっかけに韓国と北朝鮮が話し合いのテーブルにつき、韓国特使団の平壌訪問をへて、南北首脳会談、米朝首脳会談が予定され、朝鮮半島の緊張緩和にむけての対話が実現しようとしています。さまざまな憶測が飛び交っていますが、わたしたちは北朝鮮もまた「朝鮮半島で誰も傷つかない、誰も傷つけない」という切実な願いを持っていることを信じたいと思うのです。
一方で、世界で唯一の被爆を体験し、世界に先駆けて「二度と戦争をしない」と宣言し、東アジアの当事者としてなによりも話し合いで緊張を和らげようと呼びかけるべきわたしたちの国が、「圧力」一辺倒でアメリカの軍事戦略に積極的に参加し、北朝鮮の軍事力行使の標的となる道を選んでしまっていることに暗澹たる思いを持っているのは、私たちだけでしょうか。
昨年、ややもすると「助け合いと話し合い」を願うこの催しをすることに心が折れそうになりましたが、予断を許しませんが今の対話への動きが広がることを願って、今年も「ピースマーケットのせ」を開催したいと思います。

PEACE MARKET・のせ2018
開催日:2018年5月20日(日)午前10時から午後3時30分
開催場所 能勢町淨るりシアター
内容:フリーマーケット、世界の民族料理、音楽、パフォーマンス国際NGO、環境NGOの活動紹介

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