97歳の清洲辰也さんのメッセージ ピースマーケット・のせ

ピースマーケット・のせ実行委員会委員長の清洲辰也さんからメッセージをいただきました。
今年は新型コロナウイルス感染防止のため、中止せざるを得なかった「ピースマーケット・のせ」は、2016年から毎年開催してきました。
「平和を考えよう!つくろう!わかちあおう!たのしもう!」を合言葉に開催することになったのは、高齢者住宅に住む清洲辰也さんの熱い呼びかけがきっかけでした。清洲さんは先の戦争の折、学徒出陣で出征し、戦後の混乱から現在まで、日本の戦前戦中戦後をかいくぐってきた生き証人と言えます。
その清洲さんが、孫やその先の世代に戦争のない平和な世界を残したいという必死の願いでチラシを書き、能勢町全域の新聞に何度も折り込み広告をしました。それは清洲さんの命をかけたといっても大げさではない、せつない手紙でした。清洲さんの訴えに応えようとさまざまな立場の人たちが集まり、日本と世界の平和を呼びかけることになりました。
清洲さんからは2016年、17年と協賛金もいただき、それがなければもっと早い段階で資金が足りなくて中止していたかもしれません。
まだコロナウイルスの影響がなかった時に清洲さんに会いに行きました。今年で5年目となるこのお祭りをする意味があるのかと清洲さんに言われ、今までの成果を伝えながらも5回目を節目に、今年で最後になるかもしれないと話しました。
そして、清洲さんの思いを受け止め、このお祭りの原点を見つめなおし、新たな試みを模索するお祭りにすることを清洲さんに誓い、今年も実行委員長をお願いしました。
それから後に、新型コロナウイルス感染が爆発的になり、お祭りの中止は電話で伝えたものの、清洲さんご自身のこともとても気がかりでした。
そして、ともかくも第一波の感染が終結した今、清洲さんから送られてきたメッセージに驚きと感激を抑えられません。日本中が、 世界中がパンデミックにさらされているさなかに、清洲さんはご自身の体に気を配りつつも、世の中の同調圧力や自粛圧力にあらがい、いのちの炎を燃やしながらこの国を憂い、この国を質し、わたしたちに思いを託す言葉を送ってくれました。
電話でお話しすると、もう少ししっかりした形の提言をまとめるとのことで、その手伝いをさせていただこうと思っています。
2020年夏、97歳の清洲辰也さんのメッセージです。

令和2年6月25日
清洲 辰也

すべてがひっくり返っている。
この国は、社会は、世界をゆるがすコロナという大問題に目下必死である。目の前の大問題である。ほかのことを考える余裕は全くない。

すべては、一段落してからのことである。
それは、よほどの先のことになる。何年先のことであろうか。
なぜなら、この国の社会の体制(文化・生活習慣までもを含む)の大改革、大改革までをも視野に入れなければならないからである。コロナ体制が確立できた国、社会ということである。
それを肝においてのことである。

きょうでちょうど97歳と3か月。
最後の痛切な思い-子どもたちのこと、孫たちのこと、次の時代のことを強く強く考える。
どんな国を、社会を譲ろうとするのか。
自分の子どもたちなら、将来、せめて30年先のこと(平成の時代が30年である)を考えたことがあるのであろうか。考えたことをまとめたことがあるのであろうか。
残念ながら全くないように見える。カケラも見えない。
それでよいのかということである。
よいはずは全くない。その故に、またも空振りであろうとも、誰一人聞く耳を持たなくも、しつこく、しつこく言い続ける。たかがヨレヨレの終わるまぎわの無名の一人のジジイがである。
「目の前の現実」も真剣に考えてみようという「ただそれだけのこと」である。それをしっかりやろうではないか。

小室等「道」 詩・黒田三郎 作曲・小室等 2014.9.4 @日比谷野音「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動9.4」

小室等「死んだ男の残したものは」 作詞・谷川俊太郎 作曲・武満徹

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です