菊池紗耶香展 ふくみみギャラリー

大地から湧き上がる幾百もの色たちが繰り広げるおおらかで平和な祝祭
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「ミントアンサンブル」のアーティストたちの絵を見ていつもびっくりし、不思議に思うのは、いったいどこからこんな想いもつかないモチーフが彼女彼らに降りてきてしまうのか。そして、これほどまでに画面の隅々まで空間を埋め尽くす情熱というか執念が宿っていることです。まるでそうしないといたたまれない何かに突き動かされるように、時には切なく切羽詰まった想いにとりつかれているかのように…。
菊池紗耶香さんもまた、そのひとりです。
彼女の場合、どの作品にも原初的な感覚というか、わたしたち人間がまだ長い歴史をたどる前の大地から湧き上がる幾百もの色たちが祝祭を繰り広げるかのようなのです。
その中でも特に世界各地の民族衣装を描いた作品は、今に伝わる様式美を彼女なりに描く優れたシリーズです。民族衣装はその国の歴史、国民性、宗教、風土、文化などによって独自の雰囲気を醸し出ています。昨年、北海道のアイヌの文化に触れた時に感じた民族文様や織り方、そして民族衣装に添えられ呪術的意味をもたらす装飾品などを思い出します。
民族衣装が教えてくれるのは人類が環境と調和し、信仰と知恵をもって服を作り上げてきた歴史です。彼女がどのようにそれらと出会ったのかはわかりませんが、おおらかで平和な文化を作者の感性が受け止めたこれらの絵を見ることが出来たことはとても幸運なことと思っています。
ほかにも、花や鳥を描いた絵の中で、「ぶとうとアコーディオン」はボタン式アコーディオンのボタンとぶどうの実を連想したのでしょうか、その発想に感服しました。

