松井しのぶさんとの出会い 2021年カレンダー「やさしいちきゅうものがたり」

松井しのぶさんとの出会いは、2004年の5月でした。このカレンダーの前身のカレンダー「季節のモムたち」のイラストレーターで、障害者運動の仲間・応援者でもあった吉田たろうさんが前年の9月に急死しました。
その悲しみに打ちひしがれる間もなく、全国の障害者団体の運営資金作りの助けになっていたカレンダー制作を継続するために、とっておきのイラストレーターを探さなければなりませんでした。次のカレンダーは例えばジョン・レノンの「イマジン」のように、かけがえのない地球を傷つけることで成長を奪い合うのではなく、また銃や核兵器ではなく鍬や楽器で分かち合い、助け合う平和をつくりだす、そんな持続可能な地球への思いを伝えるカレンダーにしたいと思いました。
なんのあてもないまま、わたしたちはその頃から本格的な機能を持ち始めはじめたインターネットの荒野をさまよい、奇跡的に松井しのぶさんを発見したのでした。
2004年5月、わたしはとても長いメールを松井しのぶさんに送り、カレンダーのイラストをお願いしました。断られる可能性が高いと思いながら待ち続け、「いいですよ」と快諾の返事をいただいた時は、本当に飛び上がるほどうれしくて、興奮気味に仲間に伝えたことを思い出します。
そして2006年版から、カレンダー「やさしいちきゅうものがたり」の長い旅が始まったのでした。
今年、特別な一年をくぐりぬけることになったわたしたちに、2021年版のカレンダー制作を通してよせてくださった松井しのぶさんのメッセージです。

やさしいちきゅうものがたり
松井しのぶ

空を見上げることが大好きな私。双眼鏡で覗くと都会でも普段は見えない数多くの星がこの空にある事を実感します。
私の大好きなオリオン座のペテルギウスは六四〇光年も地球から離れていて、今見える光は640年前にその星を旅立った光。なんと鎌倉時代!気の遠くなる時間を旅して私たちのもとに届いたなんて考えるとすごく愛おしくなります。
そして、その光が届いた46億歳の地球、その地球の上で生きさせてもらってる私たち人間。地球が育むいろんな物、生きている物、そうでない物、有機物、無機物…多種多様にこの地球に存在してる。
宇宙からそして太陽から生まれた地球の長い歴史、そこから生まれる物たちはちゃんと地球なりの理由があって生まれてきた物たち。
多くを育み、行き着く先はどこなんだろうと思いつつ、ふと私たちの日常を脅かしているウイルスのことを思ったりします。
きっと地球には無駄がない、その理由があって生まれてきた物たち、ウイルスもその一つ…。
現在、世界中の人間を苦しめているこのウイルスだけど、地球にしてみれば必要があってきっと生まれてきたもの。
どんな必要な理由があるにしても日々生活している私たち人間には脅威ですよね。
やさしいちきゅうものがたり……そんなタイトルの私のカレンダーですが、やさしいと単純に言ってしまう事の難しさ。地球は自分のレシピ通り、地球を育んでいるだけの存在でそこに少しの感情もない存在だと私は思っています。
でも、そこにやさしさを見るのは私たち自身の心。地球の優しさを作っていくのは私たち自身。地球が見せる様々な美しい景色に感動し、その中に見える優しさに触れて生きる喜びを知る。いろんな人たちの生活、苦しさや憤り、病気や災害、生きている中で出会ういろんな辛い事、その中で出会う一滴のやさしさが人の夢を育み、救う事になるかもしれない……そんな、わずかな希望を持ってやさしいちきゅうものがたりを描いているのかもしれないと思う今日この頃。
何百光年もの遠い宇宙から来た光、それを愛おしく思う心。やさしいちきゅうのものがたりを作っていくそれぞれの人の心、いろんな試練があるとしても、それを乗り越える人の心がいつも地球の上にありますように…

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