短い秋を追いかけて

 先月の28日、能勢の妙見山に行きました。 前回は初谷川をのぼる長い距離のコースでしたが、今回は一番短い新滝コースを登りました。 能勢電車の妙見口からケーブル乗り場まで歩くと、駅の右側に新滝コースの入り口がありました。ケーブルの線路を見上げるとさすがに高く、その横をほぼ平行に登るのかと、最初から溜息が出てきました。 しかしながら、歩きはじめると紅葉にかこまれた登りやすい道で、秋の能勢を満喫しながらゆっくりと登って行きました。 夏に能勢に引っ越して、家の周りも里山に囲まれ、さまざまな色合いの緑を楽しむことができましたが、能勢の秋は早く、あっという間に色づきはじめ、紅葉のように真っ赤ではないですがオレンジ色に染まってしまいました。 引っ越す前は緑地公園の植物園のそばに住んでいましたので、それなりに緑が多くありましたが、どうしても公園はつくられたものでちまちましていました。能勢に引っ越してきて、四方八方どこに目を向けても山また山の季節の贈り物にあふれた暮しはほんとうにすばらしいと感じています。ただし、能勢の秋はとても短く、ここ何日か、用意していたようにすでに冬の風が胸をさす感じです。

 足早に過ぎて行く能勢の秋を味わう最後のチャンスと思い、この日妙見山にでかけたのですが、天気は曇り空で晴れた時のようにあざやかな紅葉ではありませんでしたが、登る道のあちらこちらですりガラスのような空にとけていく紅葉もまた、おだやかで静かな秋の気配を漂わせ、来てよかったと思いました。石の鳥居をくぐり、古い民家のたたずまいを眺めたりして谷を登ると、白龍神社をへて雄滝行場に着きました。沢の水が流れ落ちる滝が修行場になっているようで、山全体が信仰の地であることを実感しました。 このあたりのちがう場所で、それぞれ手入れをしたり掃除をしたりしている2人の男のひとがおられました。無償のボランティアでされているようで、「ここを手入れすることをこれからのライフワークに」と話されていて、ほんとうにたくさんひとが妙見山を守ってこられたのだと実感しました。 さすがにこのコースは短く、わたしたちのゆっくりとした足取りでも2時間で山頂の駐車場に着きました。妙見さんの大きな鳥居をぬけて石段を上がると茶店があり、そこできつねうどんを食べました。それから山頂にあがり、すぐに舞い戻ってぜんざいを食べてしまいました。 ほんとうはお酒を飲みたかったのですが、帰りはリフトとケーブルなので断念しました。 ささやかなハイキングで、しかも能勢電の山下駅からのパスが1時間に1本なので、けっこう急いでもどらなければならないのですが、能勢に来た楽しみのひとつになりました。これから冬の間はケーブルもリフトも運休でなかなか動けませんが、正月の間運転している間に一度初詣に行こうと思っています。 また、今の間に桜のあるところをチェックしているのですが、春の能勢がどんな色をみせてくれるのか、とても楽しみです。

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