国際歴史言語学会のロゴデザインを小泉祥一さんが製作!

2011年7月25日から30日まで、大阪万博公園にある国立民族学博物館で、第20回国際歴史言語学会が開かれます。アジアではじめて開かれるこの国際会議のロゴマークを豊能障害者労働センター代表の小泉祥一さんがデザインするとともに、会議のロゴTシャツも製作し、会場で販売されることになりました。 この会議の案内に、こう書かれていました。 「国際歴史言語学会とは、歴史言語学や言語変化をテーマとした国際学会です。いわゆる比較方法を用いた系統論等はもちろんのこと、類型論的視点からみた言語変化、社会言語学における共時的現象の分析や認知言語学におけるアプローチ、またコンピューターを用いた分析手法など、言語変化への幅広い分野からの発表が行われます。

 第20回は、アジア圏では初の開催となり、一段と幅ひろい分野で国際的に活躍する研究者が集まることが期待されており、さらに最終日には、国際シンポジウム「アジア・太平洋地域諸言語の歴史研究の方法―日本語の起源は解明できるのか―」を開催。日本語系統論への科学的アプローチの現状と課題についてじっくり討論します。
 わたしは歴史言語学という学問があることも、その国際会議がすでに20回目になることも知りませんでした。かろうじて、この学問とは反するのだと思いますが、同時代の言語の構造や一般規則を考察する共時的な研究で近代言語学の礎を築いたソシュールから構造主義、フーコーへの流れを解説書でなぞった程度です。
 ですから、この案内文を読んでもよくわからないのですが、とにもかくにも、国際会議のロゴを小泉祥一さんがデザインしたことを、ほんとうにすごいことだなと感激しました。

 ことの経緯は、昨年の年末に阪急箕面駅でTシャツのチラシをまいていたら、この会議の事務局を担当されている、国立民族学博物館民族文化研究部総合研究大学院大学の菊澤律子さんがたまたまそのチラシを受け取り、小泉さんのプラスWeTシャツのデザインに感動されたのがきっかけだそうです。
 菊澤さんはさっそくこの会議の略称である「ICHL」のロゴのデザインと、そのロゴを使ったTシャツの製作も依頼されたということです。この国際会議のホームページ(英字)ではロゴデザインを製作したアーティストとして小泉さんを紹介している他、ロゴTシャツも掲載されています。
 思えば、小泉さんのアーティストとしての出発は、1984年の「れんげや」の看板からでした。彼の描く線や形は、単に脳性まひ者の不随意運動からくる見かけの面白さだけではない、独特の力強さがありました。

 1998年、豊能障害者労働センターの経営が行き詰った時、小泉さんのデザインで活路を開こうと製作されたプラスWeTシャツが多くの方に受け入れられた時は、豊能障害者労働センターのスタッフみんなが喜びました。それから、いろいろな障害者スタッフのデザインでオリジナル商品をつくることを続けてきました。
 今回のお話を聞いて、長年にわたり障害者のオリジナルデザインにこだわってきたTシャツ製作の努力が、国際会議のロゴデザインをつくるまでになったことを、ほんとうにうれしく思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です